BPOについて

放送倫理・番組向上機構BPO)の「放送と青少年に関する委員会」(原寿雄委員長)が,改善勧告を発表しているのを8日の夜テレビで見ました。


NHKと民放各社が資金を出し合って,設立したのがBPOのようなんですが,仰々しい改善勧告が,はてどのように番組改善に役立つのか?興味の焦点です。


さて,過去に血液型番組作成者は,どう反応しているかと言いますと,


(2004年 8月 11日付 のTBSのコメント)

【特定の血液型への差別について】

 この問題に関してTBSに寄せられた抗議の大半はB型の人からでした。具体的には、「B型に対して何故あんなにひどいコメントや偏見ばかりの結果を出したのですか」「B型だけが悪く言われる意味がわかりません」などという内容で、このことから差別に繋がるという懸念を示す意見もありました。こうした意見が多数寄せられる内容になってしまったことについて、私たちは深く反省いたしております。

 私たちは、人格を否定するようなコメントは極力排除するなどの注意はいたしましたが、残念ながらコーナー企画の一部には配慮を欠いたものが含まれてしまいました。血液型をテーマにする番組や書籍では、少数派のB型とAB型を笑いものにする傾向がありますが、今回、“少数派だからこそ大切にする手当てが必要なのだ”という姿勢を再確認し、深く反省するとともに、検討を重ねました。


 その後、放送されたTBSのレギュラー番組『脳力探検クイズ!ホムクル』の血液型コーナーでは、差別に繋がりかねない表現をカットするとともに、どの血液型についてもその長所を強調する形で扱いました。更に、「個人差があります」というスーパーテロップをできるだけ多く挿入しました。これらの番組については、現在まで差別的に扱われたという意見は殆どいただいておりません。


 今後、血液型を扱う際には、教育関係の方から貴委員会に寄せられた「子どもたちが占いや血液型診断を信じ、いかに影響を受けやすいかを知っている」という意見を深く受け止め、更に慎重な番組制作を行っていくつもりでおります。


【血液型性格診断の科学的側面について】

 貴委員会に寄せられた「心理学者は性格と血液型との関連について否定している」という意見と同様に、TBSにも「最初から『関係がある』と決めつけて番組を作ったのではないでしょうか」という趣旨の指摘がありました。


 私たちのチームは『どうぶつ奇想天外』を11年間、『スパスパ人間学』を5年間制作し、さらに1997年からは『生命38億年スペシャル“人間とは何だ”…!?』の制作・放送を続ける中で、多数の科学者を取材してまいりました。その中で学んだことは、科学的な仮説は常に変わり続けるということ、また説明できない現象も非常に多くあるということでした。


 私たちは2001年に放送した『スパスパ人間学!貴方の知らない本当の性格・好かれる理由・嫌われる理由スペシャル』の中では、血液型診断については「基本的に否定する」立場に立って取り扱いました。


 しかし、その後、免疫学の分野を中心に、免疫力と血液型の関連、免疫と性格の関連が指摘されて始めています。私たちは今回の番組では、これらの新しい研究成果をもとに幼稚園児に協力していただき、彼らの性格、行動パターンについての実験を行いました。


 これらの結果を基礎にして今回の番組を構成したわけですが、番組づくりの編集段階で、性格づけを強調しすぎてしまい、あまりにもステレオタイプ化させてしまったという点について、反省いたしております。この反省をもとに、これ以降に放送された『脳力探検クイズ!ホムクル』では、「仮説です」というスーパーテロップを出し、「…と言われています」「…かもしれません」など、絶対的なものという印象を与えないようにいたしました。


 私たちも、性格は環境など後天的なものによって形づくられる要素が大きく、血液型のみによって決定されるという立場には立っておりません。特に心理学の分野では血液型と性格の関連は否定されているということは充分に認識いたしております。


 今回、貴委員会に寄せられた意見、それに私どもTBSに寄せられた視聴者の皆様からの意見を重く受け止め、家族全員で楽しめる、より良い番組づくりを慎重に進めていく所存でおります。


...と,言うものですが,要するにテロップを流したり注意を喚起しながらであれば,血液型番組をバンバン放映しても良いと判断した,ということになります。また,最後にあるように「家族全員で楽しめる,良い」血液型番組を作ることを決心したわけです。そして,この秋も,「定期の」血液型番組を作成したわけです。今後も,ドンドン血液型の番組を「より一層の配慮をしながら」放映していくことでしょう。



(2004年7月30日付け の関西テレビ(フジ系)のコメント)

当社が平成16(2004)年4月4日午後9時から放送した『発掘!あるある大事典2〜春の芸能人血液型スペシャル〜』は、今や占いの領域にまで浸透し、日本人の日常生活や行動に対し多大な影響を及ぼしている「血液型による性格分類」が、果たしてどこまで実証できるかを番組の起点に置きました。


 そこで、当番組では血液型による性格の傾向および行動パターンの俗説を検証するため、「1000人調査」「幼稚園でのウォッチング」や「あるある実験」「海外での最新研究」を放送いたしました。


 視聴者の投稿では、「ある特定の血液型に対する偏見や差別を助長する」という意見ですが、あくまでも「1000人調査」から得たデータに基づいての統計学的見地に立った企画であり、各々の血液型によって類似する性格や行動の傾向があるという結果にとどめています。


 血液型イコールこの性格と断定している訳ではなく、1000人の人間から得たデータから4つの血液型の特徴的な行動パターンを紹介した訳です。


 もとより、人間の性格はさまざまな要因によって形成されており、未知の部分も多く、すべてが血液型によって決定されると断定できるものではありません。

 当番組でも、「血液型ですべてが決まる訳ではありません。血液型による偏見や相性の決めつけはやめましょう」というスーパーテロップを番組の最後に出すことによって注意を促しています。


 また、4月新番組をテーマにした4月8日の番組審議会でも同番組が多くの委員によって取り上げられました。


 その中で、「血液型の話をする人とは付き合いたくない」という委員もいましたが、今回の番組内容については、身近なテーマであり、家族全員が会話をしながら楽しめるものだったと概ね好評でした。


 今後も、番組で同様のテーマを扱う場合は、非科学的なものは慎重に対応するようにという当社の放送基準の精神に則った番組づくりを心掛けていきたいと考えています。




 こちらも,いろいろな工夫を凝らしながら,誤解が無いように懸命の努力をしつつ,血液型番組を作ってきたことが,実に詳細に述べられております。要するに,各種の工夫を凝らしつつ,如何なる事情があろうとも,血液型番組は作られ続けられなければならない!!のです。そして,今回の秋の血液型番組となりました。


この10月に血液型番組が6本も組まれ,今までに無い,反論の嵐が巻き起こったわけです。「まだまだ,工夫が足りない。もっともっと努力をして,クレームの付かない血液型番組を作らなければ!!!」と,各局の「血液型番組」担当者は決意を新たにしていることでしょう。


どこかの週刊誌など,各局の血液型番組担当者一覧,なんて作ってみると面白い。





BPOが改善勧告を出したといっても,今までだって「万難を排して」続けて来られた血液型番組。改善勧告ぐらいで,局側が,調査委員会を作ったり,処分者を決めたりするものだろうか?



  まず,絶対に無い!!と申し上げておく。



BPOは所詮,キッサ店の観葉植物みたいなもの。何となく,殺風景だから,置いとくか,とその程度のものなのではないか。妙に青々としているが,所詮は飾り物であり,花を咲かせることも無ければ実をつけることもない。テレビ各社がお金を出し合って作ったとて,機能しないのでは…。


良識ある委員のみなさんは,つくづく馬鹿らしくなるでしょうね。


こういう状況で,政府は何をしているのか??


これまた,「あれこれ言って,マスコミを敵に回すのは馬鹿らしい」,ということでしょうか。

つくづく救いがたい国ですな。

                              (つづく)